クイちゃんとの出逢い
SCENE1
デイジーネックレスに逢うまで(2001年11月9日に1年前を思い出して書いた日記の転載です)

クイちゃんこと「クイクイシンボウ」に初めて出逢ったのは1999年5月16日のことです。
それは馬の区別が「黒い」「白い」「茶色い」ぐらいしか出来なかった私が、北海道の苫小牧にあるノーザンホースパークに行ったときのこと。

最初はパーク近くにある社台スタリオンステーションで、トウカイテイオー、ジェニュインを見学したのですが、名前を知っていても特に感慨のない私は連れの説明を「ふーん」とか「へぇ…」と聞いておりました。

この社台スタリオンステーションには当時プレハブで出来たお土産屋さんがあり、私はなにか可愛いものはないかと物色していたのですが、その時一頭の馬のポストカードに目を奪われました。それが「フジキセキ」でした。(あとからその写真は今井寿恵さん撮影のものだと分かりました)

「うむ、これ可愛い!」
と無茶苦茶惹かれてしまった私は、そのポストカードの購入を決意。
「え? サンデー君のほうが格好良くない?ほら、そっくりだし」
と何故かサンデーグッズを勧める連れはほっといて、私は「フジキセキ」のポストカードを購入いたしました。
それから、ノーザンホースパークへ移動。

連れの「社台について」「吉田一族について」の説明に意味がわからないまま相槌を打っていたところ、パークの中の中心から少し離れたところに(友人曰く)今年デビューの3歳馬達(現2歳)がいる厩舎がありまして、他のちとくたびれた厩舎に比べて綺麗な厩舎で、入り口のところには「関係者以外立入禁止」などと書いてあることから、それなりの血統のお馬さんたちがいることが伺えました。

クイちゃんがいたのは、そんな厩舎のうちの一つでした。
牡馬たちの厩舎から洗い場を挟んで隣の厩舎に、今度は牝馬たちの厩舎がありまして、牡馬たちの厩舎よりなんだかちょっと造りが古い気がしましたが、こちらも「立入禁止」の札が掛かっていました。
厩舎の中には勿論入れないので、厩舎の外に顔を出している馬を眺めたり、目が合った馬に手を振ってみたりしていたのですが、厩舎から首を出した馬の中になんとなく目を惹かれる馬が居ました。
顔にタテに白い線が入っていて(流星(笑))、茶色い(栗毛の(笑))馬でした。

今思うと、何故そこまで目を惹かれたのか分からないのですが、たぶん、理由の一つは、その馬の馬房の外壁が他の馬達の外壁に比べて明らかに囓られていたこと。
そう、ガジガジと食べられているのです。
「わはははは、可愛い〜みてみて〜壁食べてる〜。あはははは〜お腹空いてるのかなぁ。他の馬より明らかに囓ってるよ〜。可愛い〜食いしん坊だ〜(笑)」
と指を指して笑った私は
「なんていう馬なのかなぁ?」
と立入禁止の札を越えないよう、馬房の前に貼ってあるプレートの文字を読もうとしました。

でも、遠いし、字が小さくて読めない。
一生懸命目を凝らして名前の所がまだ空欄であることが分かりました。
更に目を凝らしてみると父の所に「フジキセキ」と書いてあるではないですか!

驚くと当時に感激してしまいました。
つい先ほど「お気に入り」になってポストカードを買ったフジキセキの仔だなんて♪

「うわ〜。感激!! よし、壁を囓るほど食いしん坊だから、名前は決まるまでクイシンボウにしよう! でも女の子だからなぁ…そんな名前じゃ可愛そうかな…アモガパーサなんてどうだろう?」
と勝手に命名しつつ、以来
「クイちゃん、デビューまだ?」
「クイちゃん、名前決まったかな?」
と気に掛けるようになったのです。

呼び名は「クイシンボウ」だと「万歳!」と叫びたくなるので「クイクイシンボウ」になりました(謎)(笑)

そして、同じ年の7月、私は再びクイちゃんに会いに行くのです♪
-続く-
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